アマチュアセロ弾きの雑記帳//チェロ大好き。日々の思いを綴ります。
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2010/04/29 (Thu) あるつながり その3 魔法使いの弟子

 「チェロの魔法使い」エニオ・ボロニーニは、有り余る才能を持て余し、音楽の枠の中には収まりきれない人物だった。なんであんな凄いことが出来たかと言われても、「出来るから出来た」って感じじゃないだろうか。天才は伝えられないし、教えられない。
 だから彼は弟子を採らなかったそうだ。そんな彼がただ一人にだけ、超絶技巧とレパートリーを伝えた弟子がクリスティーヌ・ワレフスカである。さしづめ「魔法使いの弟子」といったところだろうか。
 ボロニーニはワレフスカをわが子のように愛し、そのチェロの魔法を伝授した。
ボロニーニとワレフスカのツーショットはこちら
 ボロニーニ、典型的なハリウッド風二枚目、ストイックな傾向の強い日本のクラシックファンには受けないだろうなあ・・・
 そんな「魔法使いの弟子」クリスティーヌ・ワレフスカはEMIのジャクリーヌ・デュプレ、ドイツグラモフォンのアニタ・タウアーに対抗するような形でフィリプスから登場した。
 デュプレは強烈な輝きを放ちつつも病魔に冒され、タウアーは悲劇に遭い、若くして消えていった。ただ一人残ったワレフスカも商業主義的なレコードビジネスのあり方に背を向け、南米アルゼンチンで活動し、レコード業界の表舞台ではほとんど目立たなくなった。1960年代に輝いた才能豊かな若手女流チェリストたちは鮮烈な印象を残して、流れ星のように消えていった。
 しかし、彼女は今でも健在で演奏活動を続けている。そして今回、36年ぶりの来日を果たすこととなった。
彼女の健在示し最近の映像はこちら

 ボロニーニはシュタルケルやピアティゴルスキーといったそうそうたる巨匠たちから自作の楽譜を見せてほしいと頼まれたけれど、決して見せることなく、ただ一人ワレフスカにその曲を与え、ワレフスカにだけ演奏を許可した。だからこの曲はワレフスカでしか聴けない。その愛器はカルロ・ベルゴンツィ1740年。音色は師匠ボロニーニとよく似ている。師匠の方がいささかダイナミックで荒々しく、弟子はどちらかというと端正な佇まいといえるだろう。
 僕が尊敬してやまぬペレーニとも仲良しというのがうれしい。
 今ではほとんど知る人もない幻の巨匠エニオ・ボロニーニの衣鉢を次ぐ名手ワレフスカが再び私たちにその勇姿を見せてくれる。再来日を心から喜びたい。
 全国ツアーの日程はこちら

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