アマチュアセロ弾きの雑記帳//チェロ大好き。日々の思いを綴ります。
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2009/12/12 (Sat) カサド

ガスパール・カサドコンクールが話題になっている。
名チェリストガスパール・カサドの妻である故原智恵子氏の遺志を受けて、
フィレンツェで行われたコンクールを復活させたとのこと。素晴らしいことだと思う。
ところでガスパール・カサドというチェリストについて、
昔からレコードを聴いて来たものとして一応名前は知っている。
古い話で恐縮だが、こういう場合、最初の手がかりは野村あらえびす先生が「名曲決定盤」でどう評価しているかが大きい。
そこからいただいたイメージは「カザルスの弟子」というイメージが強かった。
事実カサドはカザルスと同じカタロニアの出身だ。
ただ、カタロニア独立とフランコ政権への対応を巡って、
カザルスとは一時不幸な関係にあったこともあって(その後メニューインの仲介でカザルスと和解)、
熱烈にカザルスを愛している僕からするとカサドにはあまり関心が持てないという要素は正直あった。
まあ、あの戦争の激動の時代。楽々と生きた人はあまりいなかっただろう。
「戦争を知らない子どもたち」の僕が偉そうなことを言えるはずもない。
この際だからカサドという名チェリストときちんと向き合いたい。
ということであらためて一枚だけ持っていたカサドの演奏を聴いた。
アルペッジョーネソナタソナタを編曲し、オーケストラ伴奏にした録音。
うーん。どうだろう。あらえびす先生は高く評価しておられたが・・・・・
僕としてはあの陰々滅々たる名曲は大好きである。
陰々滅々として、どこか不健康、でも限りなく美しいそんなシューベルトの一面がたまらなく好きだ。
でもあの陰々滅々はピアノとチェロというシンプルな構成が良いのだと思う。
それをオーケストラ伴奏でコンチェルトという形式にまで拡大されると
巨大化した陰々滅々が覆いかぶさってくるようでちょっと辛い。
もっともカサドの演奏は見事なものだ。
むしろ僕が楽しめたのは他の録音かな。
フォーレの「夢のあとに」、「白鳥」。
聴衆の心を引きつけるような濃密な音色と歌い回しはミッシャ・エルマンを彷彿とさせる。
でもエルマン程歌い崩さないところが好感を持てる。
これだけ甘く濃密な音でチェロを歌わせるこの辺りの歌い回しの見事さは確かにカザルスゆずりかもしれない。
カザルスが提唱した右手を伸び伸びと解放した現代チェロ奏法の所以なのではなかろうか。
「白鳥」の柔らかな音でゆったりと歌うところはすごい。
一転してブラームスのチェロソナタでは地の底をうごめくようなすごみのある低弦の響き。
ブラームスの憂鬱を見事に表現している。
偉大なチェリストの系譜につながる名演奏家であることを確かめることができた。
ただ、同年代にはあの「チェリストの宝石」とたたえられたフォイアマンがいて、
カザルスもプラドに隠遁していたとはいえ、絶対的な存在感を持っていたという当時の「相関図」がカサドをレコード上は地味な存在にしたのかもしれない。
大本命カザルスの対抗はフォイアマン。
しかし、フォイアマンは早逝。アメリカで頭角を現していくピアティゴルスキー。
しばらくするとフルニエ、ナヴァラ、トゥルトゥリエ、ジャンドロンというフランスの偉大な「若手」へと引き継がれていく。
少し遅れてシュタルケル、ロストロポービッチ等が登場していく。
そして「超新星」ジャクリーヌ・デュプレが現れる。
そういう流れからするとカサドはレコードビジネス上は地味な存在であったのかもしれない。
もっともレコードビジネスに背を向けて、地味な存在を自ら選び、生演奏を中心にして、素晴らしい足跡を残した演奏家は沢山いる。
我々が日本でレコードで聴くことのできる演奏家はあくまでも一握り。
しかもレコードビジネスのフィルターがかかっていることは忘れてはならないだろう。
そういうレコードビジネスにあまり取り上げられないが、
素晴らしいほれぼれとするチェリストたちも沢山いるんだろうなあ。
日本人がレコードを通して知るところはどこか「井の中の蛙大海を知らず」なのかかな。
NHKの大河ドラマ「新撰組」ではそのあとに「されど空の高さを知る」とあったけれどね。あれって出典はどこ?
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